激走!!信越五岳2023(後編)
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前回からのつづき...
合言葉は「必ず黒姫まで!!」
絶対にペーサーを出動させるぞ!!
あと13km、あと13kmだ!
ペーサーに会えると思うとワクワクして自然とペースが上がった。
午後13時すぎ、黒姫関門が見えた!
すごいっ、50分ほどの貯金が出来てる!
自分で言うのもアレだけど、、、諦めずによく頑張った!!
これも共に走ってくれたY君のおかげだ!
黒姫エイド入口にペーサーT氏登場!!
「お待たせ!約束通り来たよ!!」
関門に間に合ってホント良かった!
ペーサーの姿を見て涙が出そうになるが、まだ完走したわけではない ^^;;
ドロップバッグを受けとり、着替えをして持ち物を吟味する。
胃腸のトラブルまではないが、食べれるものと受け付けないものがはっきりしてきた!
Sっちゃんと奥様のサポートのおかげで黒姫エイドもスムーズに出発できそうだ!
痛みは右足首、右ハム、左膝の3箇所。
左膝以外は想定内の痛みなので心配はしていないが、左膝はテーピングでぐるぐる補強。
さぁ、ここからはペーサーとの二人三脚がはじまります。
ひとつ残念なのは、ここまで共に頑張ってきたY君がペースを落とすので、別行動になるということ。。
みんなそれぞれに、目に見えないトラブルと戦いながら走っているのだ。。
「Y君、調子が戻ってきたらまた後で合流しよう!!」
100kmも超えてくると色々あります。。。
黒姫を出ると、しばらく上り基調のゲレンデがお出迎え。。
ゲレンデはもう懲り懲りだと思いながらも、必死にペーサーについて行く。
ボクの調子を見ながらも休ませない絶妙なペースで引っ張ってくれる!
ありがたい!!
引き続き走れる林道は走るが、
暑さでだいぶ消耗しているのと、眠気がひどくなってきた。。。
意識朦朧としながらも足を必死に動かしている写真。(目の下のクマがひどい、、、)
だいぶ蛇行していたようで、後続のランナーには申しわけなかった。。。
笹ヶ峰エイド(112km)につく頃、、、
突然の激しい雷雨にみまわれた。
ランナー達は一斉にエイドの屋根下に避難。
すぐ止むだろうと思われた雷雨だが、、、しばらくたっても止む気配なし。。
トレイルが一気に川のようになり、ドロドロで思うように走れなくなるだけでなく、渋滞で関門時間が厳しくなるのが想像できる。
やばい。。
またもやボクの100マイラーに黄色信号点灯。。
ふと「昨年のハセツネ」のことを思い出した。
大雨でドロドロになり、木段が外れるほど沼化した。。トレイルが荒れて走れる状態ではなくなったのは、人がだいぶ通過した後の後方のランナーだったから。。
もしかして、早めにトレイルに出れば、そんなに荒れた状態でなく走れるかもしれない。。
そんなことをひらめき、
躊躇するランナーの脇から、
レインを着て大雨の中飛び出した!!
半分ヤケクソの選択だったが、、
大雨のおかげで眠気が覚めたし、
大雨のおかげで疲労した筋肉がアイシングされ痛みが和らいだ!
雨も意外と悪くないことに気付く^^
ピーカン猛暑からの雷雨、、、
いろいろあるのがトレランだから!
顔から転んで滑落しかけたが、不思議と顔が笑ってる^^;;
参加者の中でいちばん泥んこだったかも。。
あたりはすっかり陽が落ちて2日目の夜に突入している。。。
引き続き、制限時間ギリギリの戦いは続いている。。。
何度も言うが、走れなくなったら関門アウトだ!!
諦めないよ、絶対に!!
止まらず進んだおかげで、戸隠エイド(141km)の関門も見事クリア。
ここまで来れば完走の確率がグンと上がると言われているのだが、、、
今のトレイルのサーフェスを考えれば決して余裕があるわけではない!!
1アクシデントで状況は変わるので、気持ちは引き締めておく。。。
Sっちゃんのあたたかいコーヒーをいただき、いよいよラスボス瑪瑙山との戦いに行ってきます!!
ここが最後のサポートになります。Sっちゃん、ありがとう!!
「ゴールでまた会おう!!」のポーズ^^
とうとうラスボス瑪瑙山までたどり着いた。。
気合いを入れて行くぞ!!
突風にグラつきながらも一歩一歩確実に上る。
これが最後の試練か、、、上れども上れども山頂が見えて来ない。。。
それもそのはず、瑪瑙山の標高は1,748mと、コース上で最高到達点だからしんどいのはあたりまえである。。
風が強く寒くなってきたので、休まず動き続けることが大事と考えたが、眠気との戦いもあり、思っていたよりも上りに時間がかかってしまった。
よし、下りで巻き返すぞ!!
ところが、、、
下りはなかなか斜度の強いシングルトラック!
下り渋滞ができていた。。
しばらく抜きどころがなく、時計を見る回数が増えてきた。。
そんな時、、
「下り行けますか?」とペーサーに言われ、
「まだやれますよ!!」と返すと、、、
スイッチオン!!
なかなかのスピードで駆け下りていく!
やっぱり、制限時間ヤバいのかな、、、?
必死にペーサーの背中を追いかけて渋滞をパスして行く。
後続ランナーが誰もついて来れないぐらいのスピードで下り切った矢先、、、まさかの大転倒。。。
やばっ!!!
(このタイミングで一番やっちゃいけないやつー!)
痛めていた右足首にチカラが入らないぐらい捻ってしまった。。
しばらく立ち上がることができずにうずくまった。残り10kmぐらい。。
ここで大失速すればもしかして制限時間をオーバーするかもしれない。
せっかくここまできたのに、こんなところで終わりたくない!
ザックの中からテーピングを取り出し、ソックスの上から、シューズの上からガチガチに足首を固定した。
これで大丈夫!!!
さらに、、、
テーピングを入れていた袋の中からペーサーT氏の愛娘SKRちゃんからの完走お守りを発見!!
元気をもらった!!!
ペーサーT氏も心配そうに残りの距離と時間を割り出してくれた。。
痺れてるけど走れなくはない!
もう一度転倒するとヤバいことになるのはわかっていたが、出せるスピード最大で行く!
痛みよりも制限時間の方が気になって、
何度も「このペースで間に合いますか?」
と確認していた。。
残り5km。
距離のカウントダウンがはじまるが、なかなかそれらしい景色になってこない!
残り3km。
ゴールはもうすぐそこなはずなのに、まだトレイルを上ったりする。。
ウンザリしながら走ってると、、
あーーーーーっ!!
ゲレンデを下った先にゴールの灯りが見えた!
とうとう100マイラーの瞬間がきたのだ!
ここで転んで骨折しても、
転がりながらでもゴール出来るだろうと確信を持てた時、、全身にトリハダが立った!!
やっと100マイラーになれる!!
みんなに良い報告ができる!!
今まで練習に付き合ってくれた羅針盤の仲間の顔が目に浮かぶ。。
残り数十メートル!
100マイラーの鎧を授けられた感じがして、足が急に軽くなりランニングフォームに貫禄がでた気分♪
ひとまわり成長したようなそんな不思議な感覚があった。
ついにペーサーと共にゴールテープを切った!!
32時間24分50秒
ありがとう!!ありがとう!!ありがとう!!
まずはペーサーT氏、サポートのSっちゃん、奥様。応援してくれてた仲間達。
大会運営、ボランティアの方々。
ここに導いてくれた全てに感謝!!
一夜明け、表彰式にも参加。
石川弘樹さまより、完走バックルを手渡していただき感無量です!
6ヶ月かけてのトレーニングが実り、100マイル完走という結果が出せて良かった!!
ボクのような関門ランナーでも頑張れば、信越五岳のような高速レースも完走することが出来る!!
これからの挑戦も楽しみです!!
*お読みいただきありがとうございました*
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