岡山的!!アーバン・アウトドアライフ

岡山市中心部で暮らすオジさんトレイルランナーのブログ

URBAN OUTDOOR LIFE

in OKAYAMA

UTMB Courmayeur以降の失敗

UTMB Courmayeur以降の失敗

(前回からのつづき)

 

クールマイユールまでの下りのパートでしっかり走れたのでほぼ定刻に到着できたが、

次の関門の制限時間を考えるとなかなかゆっくりしていられない。

コース・制限時間の変更があった事で、少しややこしくなっていた。。

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後半の展開をイメージする余裕すらなく、

着替えと食事のみでなるべく早めに出発しようと考えた。

着替えの準備、食事の準備、体調の確認など、妻のサポートは完璧だったが、

私はなぜか焦っていた。

今思うと、ここでの気の焦りが少しずつ落とし穴にハマっていくことになったのです。

 

「食べられなくなったら終わりだ!」

これはロングレースにおいてよく言われることだが、、

実はこの時点であまり固形物を胃が受け付けなくなってきていた。

 

シューズを脱ぎ、足を休ませながら、無理やりスープとパスタを数本流し込む。

やはり、スープが塩辛い。。。

 

空を見上げると雲の動きが早く、風が冷たくなってきていた。

この日の天気予報は曇りのち雨だった。

迷わず、上着(ゴアテックス)とレインパンツを着て体を冷やさない対策をとった。

昨夜の寒すぎる経験がそうさせたのだろう。

そして、両足首の痛みを隠すようにシューズを履き、早めにエイドを出た!

12時を少し回っていた。。。

 

これが大誤算。

 

昨夜の冷え込みから一転、

クールマイユールを出てしばらくすると、お日様が出てきて気温はどんどん上昇。

確認はしていないが、30℃近く上がったのではなかろうか。。。

汗が吹き出し、喉が異常に渇く。

スープの塩味もずーっと残って、

水を飲んでも飲んでも喉が渇く状態から抜け出せなくなった。

慌ててレインウェアを剥ぎ取り、体温調整をするが、胃のムカムカが始まってしまった。

時間の貯金を作るためにクールマイユールを早めに出たのに、

レインウェアを脱いだりパッキングし直したり、結局時間をロスしてしまうことに。。。

「なんだか上手く行かないなぁ、、、」

歯車がちょっとずつ噛み合わない。。。

 

次のエイドは山頂のRefuge Bertoneで、約900mの急登だ!

ここも気合いのいるセクションだ。

しかし、この暑さと疲労とエネルギー切れで吐き気を引き起こしてしまった。。。

登りの途中で耐えきれず、遂には倒れこんでしまった。。。

人目をはばかることなくコースアウトして、吐き気とともに20分ほど眠った。

その後も本当に苦しくて、5分進んでは休み、5分進んでは嘔吐という繰り返し。

「エイドまで無事にたどり着くのだろうか。。。」

どれくらい時間がかかったのだろう。。

たとえここでリタイヤしたとしてもクールマイユール まで戻るか、

17km先のアルヌーバまで行かなければならない。(山間部なので車が入れず、リタイヤ宣告しても自力で山を脱するしかないのです。) 

実際に引き返す人も何人かすれ違った。

気持ちは弱りながらも

「戻ることは絶対にしたくない!!」

と、最後の意地だけは残っていた。

 

やっとの思いで登りきったが、

この調子だとアルヌーバまでの関門時間に間に合わない!!

 

内臓疲労は治らないままだし、

山頂でも嘔吐が続き、何も食べることができない。。。

もう最終手段で薬のチカラを借りるしかないと、、、

フルーツと胃薬を飲んだが、結局全部戻してしまって意味がなかった。。。

 

「ダメだ。。。」

 

ずっとこのエイドに居てもバスが迎えに来るわけじゃない。。

イチかバチか間に合わないかもしれないが、少しの可能性を信じてエイドを出た。。。

本来楽しいはずのアルヌーバまでのトラバースゾーンは、苦しさ120%で歩く以上のことなどできなかった。。。

 

どこまで困難が続くのか、、、次第に天気が急変。

 

気温が一気に下がり、突風が吹き荒れ、ミゾレの吹雪になった。

私は氷点下の山での活動には慣れていない。

この日は平気で氷点下まで冷え込む場面が何度もあった。

慌ててレインウェアを着込み寒さを防ぐが、次のエイドRefuge Bonatti(ボナッティ小屋)に着いた時には若干低体温症気味になるほどだった。

手は、かじかんで体の震えが止まらない。。。

小屋と言っても吹きざらしのテントだし、温まるところなどない!

大袈裟かもしれないが、このままだと死んでしまうと思った。。

食べないと熱が発生しないので、

何か口に入れてみようとするも、飲み込む自信がない。。

 

温かい紅茶だけをいただき、脱出するようにボナッティ小屋を出た!

エネルギーがどこまで続くか分からないが、強い気持ちでアルヌーバの関門を目指す!

顔にバチバチHITしてくる雪に耐えながら休まず歩く。

少しでも体を動かさないと死んでしまいそうだから。。。

 

しばらくして雪が止んだ!!

 

まだ神に見捨てられていないような気がした。

そして、備前国総社宮のお守りをギュッと握りしめた!

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すると、見事な虹が出た!

今まで見たことのない、それは大きく鮮やかな感動的なものだった。

総社宮の神が私を元気付けてくれたに違いない。

しばらく眺めていると、疲れを忘れることができた。

走ることを諦めていたが、この感動の虹が、アルヌーバまで走れる原動力となったことは間違いない!

 

必死で足を動かした!

今まで書いてこなかったが、コース上に次の目的地までの距離表示などは一切ない!

あとどれくらいでたどり着くのか全くわからないのが不便だ。。。

 

粘った甲斐があり、Arnouvaz(アルヌーバ)の関門をクリアすることができた!

ひとつ困難を乗り切れた。

このエイドでは久しぶりに固形物を食べることができた。

 

いよいよコース中の最高点であり、一番過酷なフェレ峠に挑む権利を獲得した!

もう行くしかないっ!!

何があってもこの山を越えて次のLA FOULYまで行きたい!

LA FOULYには、岡山のラン仲間からの応援ビデオメッセージが届いていると聞く。

遠くからの応援がありがたい!!

見届けたい!!

気持ちは充分にある!問題は時間だけ!

 

とにかく目の前のモンスター・フェレをやっつけないと。。。

吹雪の登山が始まった。

10m先が見えにくい状態が続くが、

先に目をやると、、、

カラフルなレインウェアが空に続くように一直線に伸びて雲の中に消えて行く。

 

綺麗だな。

 

朦朧としながらも寒さと疲労と闘う。

休みたいが、一回止まると休み癖がついてしまいそうで怖い。

突風で何度も体が飛ばされそうになる。

 

山頂は真っ直ぐ立っていられないほど、荒れていた。

イタリアとスイスの国境だ!

風に押されるように3カ国目のスイスに入った。

早く標高を下げたいがために小走りで駆け下りる。

次第に風はおさまり危険地帯からは抜けたようだった。

 

LA FOULYはどこだろう?

そろそろのはずなんだが、、、

確か地図では下っているはずなのに、何度も何度もアップダウンを繰り返す。

そろそろかなと思いながらも1時間以上が経過した。

いよいよ制限時間がない!!

「早く着いてくれ!!」

しかし、願いはなかなか叶わない。。。

次第に日が暮れて2日目の夜が始まった。

山から降りてからもLA FOULYエイドがなかなか見えて来ない。

半分ふてくされながら、エイドに入って来たのは21時半が過ぎていた。

「終わった。。。」

何を勘違いしたのか、

この時、自分で目標設定した20時半を制限時間だと思い込み、間違えていた。

だから、1時間もオーバーしてしまったと。。。

テーピングを外し、靴を脱ぎ、うなだれた。。。

何もする気が無くただただうなだれた。。。

仲間からの日本語の応援メッセージに申し訳なく思った。

暖かい紅茶を2杯飲んだ。

悔しい。残念な気持ちでいっぱいだった。

どんどん体は冷えていく。

どれだけ落ち込んでいたのか、、、

ある日本人が声を掛けてきた。。。

「出発しないんですか?」と!?!?!?!?!?

「あと3分で関門が閉まりますよ!」と!?!?!?!?!?

激しく動揺した!!

「えっ???どういうこと???」

 

LA FOULYの制限時間は22時半だった!!間に合っていたのだ!!

が、あと2分!!

テーピングを外し、靴を脱ぎ、サバイバルブランケットにくるまった私にとって、リスタートするには十分な時間ではなかった!!

なんと情けない幕切れだろうか。。。

 

呆然とした。

 

冷静な判断力を失っていたのも事実、言葉の壁を理由にスタッフに確認を取らなかったのも、胃腸がやられていたのも、体が冷え切ってしまったのも、すべて続ける精神力がなかったのだろう。。。

情けない!!

 

確かに言い訳をすれば、足の爪が剥がれ、謎の足首痛、内臓疲労、極端な気温の低下などで止める理由はいろいろあったが、、、

 

一番の理由が勘違いによる関門アウト。

 

海外100マイルレースの難しさを感じた。

この経験(悔しさ)は一生忘れないだろう!

 

次の日、松葉杖をつく女性ランナーを見かけた。

手首にはUTMBの選手リストバンドをして、FINISHERベストを着ていた。

私には、彼女のその出し尽くした姿が眩しかった。。。リスペクトだ!!

 

 

必ずもう一度。

必ず完走するためにシャモニーに戻りたいと思います!!

 

追伸:レースをすべて記録してきたGoproを紛失してしまい、

思い出はすべてここでの記録と私の脳裏に焼き付いたものだけになりました(^^;;

写真が少なく読みにくいブログになってしまって申し訳ありませんm(_ _)m

 

 

My Timing point

  passage Time Ranking Speed  
Start
Chamonix
0 m+
Friday 18:30 00:00:00 - -  
13.72 km
Le Delevret
820 m+
Friday 20:38 02:08:15 1897 6.4 km/h  
21.34 km
Saint-Gervais
900 m+
Friday 21:45 03:15:15 1948+51 6.8 km/h
Video of passage
31.58 km
Les Contamines Montjoie
1391 m+
Friday 23:36 05:05:37 1942-6 5.6 km/h
Video of passage
39.86 km
La Balme
1955 m+
Saturday 01:29 06:59:20 1846-96 4.4 km/h  
45.36 km
Refuge de la Croix du Bonhomme
2733 m+
Saturday 03:22 08:52:08 1836-10 2.9 km/h  
50.26 km
Les Chapieux
2733 m+
Saturday 04:20
Saturday 04:51
09:49:49 1821-15 5.1 km/h  
60.8 km
Col de la Seigne
3764 m+
Saturday 07:29 12:59:27 1880+59 4 km/h  
65.64 km
Lac Combal
3831 m+
Saturday 08:18 13:48:01 1900+20 6 km/h  
69.57 km
Arrête du Mont-Favre
4284 m+
Saturday 09:48 15:18:12 1882-18 2.6 km/h  
74 km
Col Checruit
4304 m+
Saturday 10:38
Saturday 10:44
16:07:46 1897+15 5.4 km/h  
78.36 km
Courmayeur
4325 m+
Saturday 11:29
Saturday 12:09
16:59:07 1846-51 5.8 km/h
Video of passage
83.17 km
Refuge Bertone
5125 m+
Saturday 14:00 19:30:07 1813-33 2.6 km/h
Video of passage
90.57 km
Refuge Bonatti
5385 m+
Saturday 15:49 21:18:54 1814+1 4.1 km/h  
95.64 km
Arnouvaz
5495 m+
Saturday 17:27
Saturday 17:34
22:56:37 1912+98 3.1 km/h
Video of passage
100.14 km
Grand Col Ferret
6233 m+
Saturday 19:22 24:52:19 1776-136 2.5 km/h  
109.62 km
La Fouly
6278 m+
Saturday 21:31
Saturday 22:25
27:00:38 1784+8 4.4 km/h
Video of passage
 

 

 

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